あなたも頭を悩ませているのではないでしょうか?

2016年10月1日から施行される「社会保険適用枠拡大」に伴い、「年収130万円の壁」が崩壊し、新しく「年収106万円の壁」ができました。
 

阿部首相いわく。

女性が就業調整をすることを意識せずに働くことができるように、多様な働き方に中立的な仕組みを作っていく必要がある。
(第1回税制調査会9日より)

 

つまり、女性の積極的な労働を促し経済を回すため、2016年10月1日から夫の扶養に入れる枠が106万円未満に引き下げられることが決定したのです。

これまでは、年収130万円未満の場合は夫の扶養に入ることで社会保険料の支払いが免除されていました。

しかし、2016年10月から、夫の扶養に入るには「年収106万円未満」である必要が出てきました。
 


 
 

“130万円の壁”による逆転現象

例えば、年収が140万円と120万円の実際の手取り額を比べてみると・・・

年収130万円の壁計算例

年収140万円の方が、手取り額が1万円以上も少なくなるという結果になりました。
(ノンストップ調べ)

「たった1万円」と思うかもしれません。
しかし、社会保険料を支払う分だけの労働時間を増やしているので、体感としては相当厳しいのです。

私なりに、費やしている労働時間を、番組の解説図を元に「時給1000円換算」で計算してみました。

年収130万円の壁計算例

時給1000円と仮定し、「毎月約215時間、週4日(年間192日)出勤」のペースで働いたとすると、1日あたり約1時間7分も長く働かなくてはいけなくなります。

番組調べによると、

“130万円の壁”は1977年開始(当時は70万円)され、1993年に130万円に引き上げ。
妻の年収を抑える家庭が恩恵を受けられる制度だった。

その結果・・・

年収130万円未満に抑える妻が増える = 女性の就労者が減る => 税収を確保できない

 

私には、女性のためを思っての法改正ではなく、税収アップのための法改正としか思えません。
私個人としては、妻の年収額だけで社会保険の支払いが適用されるのではなく、世帯収入を加味して世帯収入額に応じて支払う社会保険料を決めてほしいと思っています。

もう、「夫が稼いで、妻がそれを補う時代」なのではなく、「世帯としてどれくらい必要なのかによって、夫と妻で分担して稼ぐ時代」なんだと思っています。

 
 

現在130万円ラインにいる主婦たちの2つの選択

この社会保険適用枠拡大によって、年収が106万円以上の主婦に2つの選択肢が突きつけられました。

社会保険適用枠拡大

(1)働く時間を短くして年収を20万円以上下げる。(年収を下げる)
(2)働く時間を増やして社会保険証をまかなう。(手取りをキープ)

 

(1)のように、労働時間を減らしたい場合は、労働時間を減らしてもこれまでと同じ待遇で居られるように交渉する必要があります。

そして、(2)の場合は、注意が必要です。
これまでと同じ年収ベースで働いていると、社会保険料の支払いによって手取り額が目減りしてしまうのです。
手取り額を維持するためには社会保険料額分の労働時間もさらに増やさなくてはなりません。

いずれにしても、場合によっては勤め先を変えなければいけない場合もあるでしょう・・・
家庭、主婦への大きな影響は避けられないのが実情です。

子供の宿題を見たり、日々の勉強を見たり、フルタイムっていうのはなかなできない。
(40代主婦)

 

うちの保育園の場合は1分でもすぎると15分単位で、(延長保育量は)15分400円。
なので、1時間超えると私の時給より越えてしまう。
(40代主婦)

 

小さなお子さんを持つお母さんにとって、いきなり年収を増やすことは、政府が考えているよりはるかに難しいのです。
「女性の社会進出」なんて綺麗な言葉で飾らないでほしいですね。
 
 

年収129万円の場合、どれくらい手取り額が減るのか?

ノンストップ調べでは、16万円以上も減るという結果になりました。

社会保険適用枠拡大

厚生年金など、将来もらえるお金が増えるとは言っても、割に合わない話です。

私独自の調査でも、年収105万円から130万円で手取り額がどのように推移するのか計算しているので参考にしてみてください。

飛び入り参加の「年収106万円の壁」。この壁には、ある年収以上になると手取り額がぐんと落ち込むグレーゾーンがあるんです!その具体的な額と、カラクリを徹底解説します!
 

では、同じ手取り額をキープするには年収をどれくらいアップさせれば良いのでしょうか?

ノンストップ調べでは、「23万円の年収アップが必要」(月2万円アップ)という結果になりました。

社会保険適用枠拡大

時給1000円と仮定すると、月20時間以上も働く時間を増やさなくてはならないことになってしまいます。
本当にひどい話です。

 
 

“106万円の壁”から見えたこと

ノンストップの取材によって実情が見えてきました。

年収106万円を越えて社会保険に入った場合、65歳以降に年金として受け取る額が増えます。

例えば、42歳(2016年9月時点)でこれから新たに社会保険を支払っていく場合、65歳以降の年金の上乗せ額は「1ヶ月に1万円程度」になります。

しかし、そのためには60歳までに月々8,000円もの保険料を納めなければなりません。

これでは、将来年金がもらえるかもわからない状態で、なかなか「社会保険を支払う」という決断には至らないですよね。
 

一方、止むに止まれぬ事情から社会保険を支払う決断をする人もいます。

番組では、認可保育園に子供を預ける条件をクリアするために、週4日5.5時間勤務から週5日5.5時間勤務へ増やしたのです。
横浜市の場合、夫婦それぞれの勤務時間が「月に16日 x 1日4時間以上」という勤労形態が認可保育園に預ける条件なのです。

仮に、月に16日(週4日)をキープしたとしても、手取り額が減ってしまうので保育料をまかなうことが困難になってしまうのです。

このため、年収を106万円未満にする選択肢を選べなかったのです。
 

番組内では、他にも保育料を支払うために収入額は減らせない一方で、労働時間を増やすこともできない事情を抱えているお母さんが紹介されていました。

うちの保育園の場合は、1分でも増えると15分単位で15分400円かな。
なので、1時間越えると私の時給より越えてしまう。
(ノンストップによるインタビューより)

勤務時間が伸びる = 延長保育料がかかる

このため、泣く泣く社会保険料は支払っても勤務時間は増やさないという道を選んだのです。

のそ結果、社会保険料がお給料から天引きされるため約18万円手取り額が減ってしまったのです。
 


 
 

「キャリアアップ助成金制度」をご存知ですか?

番組内で紹介されました、こちらも2016年10月から施行される制度です。

社会保険に加入する人で、5時間以上勤務時間を延長した場合1人あたり20万円(大企業は15万円)企業に助成する。
ただし、1企業につき15人までに限る。

といういう制度なのですが・・・

これって、あまりにも頼りない制度ですよね。
「子育て世代の女性が働くことは、会社にとって負担になる」と、国が証明しているようなものではないでしょうか?

やっぱり、個人の収入ではなくて世帯の収入で納税額を決めてほしい!
そして、住宅ローンを組んでいる場合には、「世帯収入 x 住宅ローン残高」で納税額を軽減してほしい。

ほんと、「裕福なおじさま国会議員様さま方が机上で議論した制度」というにおいがぷんぷんします。
 
 

一方、この「社会保険適用枠拡大」によって恩恵を受ける人も

夫が自営業のパート勤務のシングルマザーの方の場合、

  • これまでは、国民年金・国民健康保険に加入
     → 2016年10月以降は、年収106万円超で厚生年金・健康保険に
  • 場合によっては、今の国民年金・国民健康保険料よりも安くなる
  • 将来もらえる年金額が増える。
  • 傷病手当金など、保証が手厚くなる。

 
 

さいごに

以上が、番組内で紹介されていた内容になります。

私は、この「社会保険適用枠拡大」は、増える医療費・介護費用・年金支払総額の増大、これらの量来不安に備えて税収を増やしたいだけの、場当たり的な法改正にしか思えないのです。
ますます、子供を産みたいと思う女性が減り、子育て世代に厳しい社会になっていると感じざるを得ません。

「女性の社会進出」というキーワードがよくマニュフェストや法定義の場で使われていますが、お金を稼いでいなければ社会貢献していないのでしょうか?

家庭に入って子供を育て、一生懸命家族の健康を考えて毎日ご飯を提供し、身の周りの世話をする。
これだって立派な「女性の社会貢献」だと私は思うのです。

経済を回したいのなら、社会保険料適用枠を年収106万円未満に下げるのではなく、上げるべきでは?

冒頭で紹介したように阿部首相は、「女性が就業調整をすることを意識せずに働くことができるように」するために「社会保険適用枠拡大」の制度を導入し、これは「多様な働き方に中立的な仕組み」だと言っていました。

私の言葉でこれを言い換えると、「女性が130万円未満で働くように調整することで税収が減ることを回避したい」ので「社会保険適用枠拡大」の制度を導入し、これは「より多くの国民から税を収集するための仕組み」なんだと思います。

あなたはこの「社会保険適用枠拡大」についてどのような考えをお持ちでしょうか?

私は、私たちが目先の生活に一生懸命になっている間に、国会という閉じられた環境で、こう言った法案が次々と通っていると考えるととても怖くなりました。
 

最後に、番組で解説を務めていたファイナンシャルプランナーの方をご紹介します。

加藤梨里さんという方でした。
(マネーに関するコンサルティング執筆多数 慶応義塾大学大学院 特任教授)

こちらはその加藤さんが代表を務める「マネーステップオフィス株式会社」という会社です。

 

今回の法改正による家計の費用相談などもこちらからできるようです。
わからない事がある方、不安な方はこちらから相談してみるのもいいかもしれません。

また、この加藤さんについて詳しく知りたい方は所属する「慶應義塾大学大学院 健康マネジメント研究科」のホームページをご覧になってみてください。

 

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